第3回は女性が特に気にされる症状でもある、むくみについてです。
◆どうしてむくむのか?
ものすごく簡単に言ってしまえば、人間はタンパク質と水でできています。
6、7割を占める水分が重力によって溜まったり、心臓から遠い部分
(顔、手、足など)で滞っていたり、漏れ出した状態が「むくみ」です。
水分なので、溜まっている部分を高い位置に持って行ったり、身体を動かすことで
筋肉のポンプ作用で滞りを無くしたりすれば、「むくみ」は解消されます。
では「むくみ」がなかなか解消されない方は他にどんな原因があるのでしょうか。
まず、内臓の疾患や代謝異常など症候性によるものが挙げられます。
心臓、肝臓、腎臓などの機能低下や、甲状腺などのホルモン異常、
栄養障害による代謝の不全、静脈・リンパなどの管の狭窄によるものです。
これらは、「むくみ」以外に排尿障害や呼吸不全、腹痛・吐き気など、
もっと重篤な症状が出ていたり,
食生活(バランスの悪い食事、飲酒)や運動不足、筋力不足など、
明らかな原因があると思われます。重篤な随伴症状、思い当たる原因がある場合は
病状が進行する前にすぐに専門医に行くべきでしょう。
特に重篤な症状が無く、筋肉もそれなりにあり、運動もそこそこ行っていて
食生活もそれほど荒れていない。それなのにいつも「むくみ」がひどい気がする。
そんな方もきっと多くおられると思います。
それは「むくみ」ではないかもしれません。
◆よくあるむくみではないもの
「むくみ」で気になる箇所としてまず挙げられるのがふくらはぎです。
女性ですとアロマやリンパマッサージに行かれる方も少なくないですし
対策を施した靴下なども売られています。
しかし、「むくみ」ではないものも多く存在します。
●他の箇所に比べて筋肉が付いている・張っている
脚の筋肉は他の要素により前後左右のバランスが崩れやすく、
特に前後の動き(歩行など)がメインとなるため
前と後ろの均衡が重要になってきます。
・姿勢
・上体の重心
・骨盤のバランス
・足の形
・靴
などによって、脚の前後の筋肉の付き方、張り方のバランスがくずれてしまいます。
特に女性に多い、反り腰の方は骨盤が身体の前の方に移動していたり、
前に倒れていることにより脚の後面の筋肉が付きやすく、
張りやすくなってしまいます。 ※赤い部分の筋肉が緊張する
また、歩行時に主に行う動作の中で脚の後面の筋肉の主な作用として・・・
・太ももを後ろに動かす・・・使う筋肉:お尻の筋肉、太ももの筋肉
・ヒザを曲げる・・・使う筋肉:太ももの筋肉、ふくらはぎの筋肉
・足の裏を下に下げる・・・使う筋肉:ふくらはぎの筋肉
※赤い部分の筋肉が作用
人間は四足歩行から二足歩行になる過程でお尻の筋肉が発達して、
太ももの筋肉が退化しています。バランスの悪い状態や歩き方、
靴を選択していると、さらに太ももの筋肉を使わずに歩こうとすることで
膝を曲げる作用の筋肉として、ふくらはぎへの負担が増え、
より筋肉がついたり、張ったりしてしまいます。
●脛骨(すねの骨)の向き
膝回りは特に不安定な箇所なので脚の他部位の影響を受けやすく
骨盤や股関節のバランス、足の形(回内足/回外足)などにより
脛骨の位置や向きが変わってしまいます。
特に若い方に多く見られる「内旋タイプ」のO脚では脛骨の内旋により
ふくらはぎが外側へ向く形になります。
この状態はパッと見、ふくらはぎの面積が広く見え「むくんでいる」
ようにも見えてしまいます。
もちろん、O脚の方は骨盤・脚のバランスが悪いため
循環も良くない場合が多いです。
自分が本当にただの「むくみ」なのか
きちんと判別して、それにあった方法を選択することが
「むくみ」解消に繋がるでしょう。
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